池袋にある重要文化財、自由学園の明日館で開催された倍音オーケストラのコンサートに行ってきた。
明日館はフランク・ロイド・ライトの設計により自由学園の校舎として、昭和2年に建てられたもの。教会を思わせる内装と、古い建物特有の匂いが実にここちよい。
倍音オーケストラとは、はクリスタルボウルの牧野持侑を中心としたユニット。倍音のでる楽器を集めて、オーケストラにしたってことだ。
メンバーはほかに、永田砂知子(波紋音)、BUN(カリンバ、コンツォフカ)、ヨシダダイキチ&シタールター!(シタール)。
今回波紋音(はもん)の音をはじめてきいた。波紋音は、1枚の鉄を円筒形して、その上面にいくつもの切れ込みをいれたもの。その切れ込みをたたくことで、複雑な音階が発声するという。鉄作家・斉藤鉄平氏の作品だ。
クリスタルボウルの音を基本に、そこに、カリンバ、波紋音、シタールの音が、縦横無尽に駆け回る。大きな波が来ては引き、小さな波にまた別の音がかさなり......。
これまでも民族楽器のユニットはいくつも聴いたことがあるけれど、
これは「倍音」がキーワード、というかベースになっているので、
新しいタイプのユニットかも。
というか、これこそ、本来あるべき民族楽器ユニットかも。
多分、インプロビゼーションなのだろうが、どうやってはじまって、どうやって進んで、どのように終わるのか、まったく想像ができない。
私はただ、目の前に現れ、耳のなかに漂ってくる「倍音」のバイブレーションに身をゆだねるだけ。
今回は、ゲストとして尺八の土井啓輔が参加。
これからも、様々な楽器のゲストを迎えるそうなので、楽しみ。
このライブをプロデュースしているのが、長年の友人の磯田秀人さん。
いつも自分の好きなことを見つけてきては、それを世の中に紹介してくれている。今回の「倍音オーケストラ」も、これまでの数年間にわたる磯田さんの倍音の旅が見事に実ったものだ。で、多分これからもアグレッシブに、私たちに「倍音」の世界を教えてくれるに違いない。
31.1.09
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