2010年、一番最初に聴いたCDは「Music for AIrports 1/1」だった。
といっても、ブライアン・イーノのそれではない。
聴いたのはアルケミー・クリスタルボウルで奏でられた「Music for AIrports 1/1」だ。
ブライアン・イーノのオリジナルは20代の頃に一番聴いていたかもしれない。
そのころ、熱心に練習していた太極拳のときに立禅でBGMとして流していた。身体中の細胞のひとつひとつに音が入り込んでいる。
いまでも聴くと、すーっと身体が反応する。
常に私とともにある曲のひとつ。
あまり人に話さないほうがよさそうなへんな感覚なのだが、その音楽のなかに住みたくなる(存在したくなる)曲というのが、私にはいくつかあって、ビートのきいたロックもあったりするのだが、「Music for AIrports 1/1」も間違いなく、そのなかの1曲なのだ。
「Music for AIrports 1/1」はこれまでにもカヴァーされたことがある。1998年にはBang On A Canというグループがパーカッション、チェロ、ピアノの編成で録音した「Music for AIrports 1/1」がリリースされた。友人からこの話をきいて、早速聴いたのだが、ちょっと私にはピンとこなかった。
そして、今年発売されたのが、クリスタルボールによる「Music for AIrports 1/1」。
ああ、これはぴったりはまった。身体の細胞もこの音をしっかりと受け止めた。
不思議だ。クリスタルボールが旋律をかなでているなんて。
もちろん理論的には不可能ではないことなのだろうけれど。
このCDをプロデュースした友人が、制作の詳しい過程を日記に書いているので、ぜひ読んでほしい。
そしてもしよかったら、一度聴いてみてほしい。
試聴はこちらでできる。