本当は、レビューを書くためにもう一度目を通さなくてならない本が4冊も溜まっているというのに(部屋もかたづけなくてはならないのに)、日曜日は、いま一番好きな作家の本をずーっと読んでいて、かなり幸せだった(笑)。
その本とは水村美苗の「日本語で書くということ」と「日本語で読むということ」。
水村美苗といえば、昨年「日本語が亡びるとき」がベストセラーになった作家。この本は強烈に面白く、それ以来、彼女の本をよみまくっているのだった。
この2冊は、20年にわたって雑誌に寄稿したエッセイや評論をまとめたもの。
ほんの数百文字の短文から、長文の書評まで、様々な文章が収められている。
拾い読み(私の得意な読み方-笑)していて感じたことだが、
本の帯にも書いてある文言通り、
「なぜ『日本語が亡びるとき』は書かれることになったのか?」が
実によくわかる本になっている。
なるほど。そうか。そうだよね。
って言葉が口をついてでまくっていた。
内容もさることながら、彼女が書く短いフレーズが私のツボにはまっている。
読んでいて愉しいという文章は私にとってこんなかんじのものなのだ。
情報収集としての読書ではなく、愉しみとしての読書。
だから、同じフレーズを繰り返して読んだり、ページを前後させて読んだり。
その愉しみはまだしばらく続きそうだ。
「日本語が亡びるとき」を読んで、彼女について調べていた時に、中学の大先輩であることがわかった(渡米直前のわずかのあいだ在籍)。それが私に親しみを感じさせる一つの要因になっているかも。
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